猛烈に気持ち悪くなる小説:彼岸の奴隷 [小説]
食事前後に読んだら気分が悪くなること間違い無しの、とびっきりのバイオレンス小説。
新堂冬樹の小説から、お笑いの部分を取った小説をイメージしてもらうとぴったり。
横溝正史賞受賞後第一作という帯に引かれて読んでみたら、ものすごい破壊力。劇毒。
かなり強烈なので、グロが苦手な人にはオススメできない。
ストーリーは主人公である心に闇を抱えた警察官が、殺人事件を解決する中で自分でも忘れていた謎が判明するというもの。
ただ、ストーリー自体は目を見張るものは少ない。これはグロテスクな暴力シーンを鑑賞する小説なのだ。
謎に迫る中でありえないぐらい個性的な登場人物が登場し、ほとんどすべてが残虐であったり、壊れていたりする。
食人を趣味にするやくざの若頭、自分の脳内ストーリーにこだわって傷害を繰り返す女、死体の性器を愛撫する女など気分の悪くなるような異常人のオンパレード。
新堂冬樹の「溝鼠」、「底なし沼」等もイカレタ人間が多く出てくるが、グロシーンにも笑える要素が多く、そこまで気分が悪くならないのだが、本作は同じ作ったようなキャラクターでも濃度が違う。
笑いの要素がほとんどなく、純粋にグロい。
グロ小説を読みたい人にはぴったりで、それ以外の人にはいまいちであろう作品。
怖いもの見たさ用途になら優秀だ。
☆☆★(☆二つ半)
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