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シリーズ中における中休み:狼と香辛料6 [小説]


狼と香辛料〈6〉 (電撃文庫)

狼と香辛料〈6〉 (電撃文庫)

  • 作者: 支倉 凍砂
  • 出版社/メーカー: メディアワークス
  • 発売日: 2007/12/10
  • メディア: 文庫




第五巻レビューはこちら
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-03-04

シリーズ第六作にして、新たなメジャー登場人物の登場を予感させる本作。
但し、内容自体はつなぎ的な内容となっている。それでも、謎のおかげで十分に楽しむことが出来る。

私が読んでいるライトノベルはこれだけだが、このシリーズは十分楽しめている。
(余談だが、桜庭一樹のライトノベルはいつか読みたいと思っている)

正直言って、電車の中で読みにくいタイプの挿絵だけはいまだに好きになれないが、作者の考える儲けのタネを楽しむために読む価値は十分ある。
本作では、解決されない謎が提示されているため、その謎を考えていたため、いつもの1.5倍の時間がかかってしまった。

キャラクターの魅力が好きで読んでいる人も多いのだろうが、私はその点については悪くない程度の評価。ロレンスは非常によく描写できていると思うが、ホロはいかんとも評価しがたい。孤独を恐れるのは分からなくはないが、そこから導かれる行動が若干ぶれていると思える時がある。
そういった感情の揺れは確かに魅力なのだろうが、長い時を生きた神の行動としては余りにも幼く映る。
ここはライトノベルなので仕方のない点でもあろうし、私とは好みが合わないだけでもあろう。
小説の面白さを損なうような欠点ではない。

最後に、以下は読んだ人のために私が考えた謎の解法。
1.箱を開けても良いケース
これはどうとでもなりそう。銅貨の詰め方を工夫して隙間が多くできるようにしたり、混ぜ物をして目方を増やしたり。
それでも、この解法では問題が多く残ってしまう。
詰め方を変えるだけでは、利益が出ない(仕入れのぎっちり詰めた1箱と、輸出のゆるく詰めた1箱ではレートが変わるのが当然だから)。
混ぜ物をしたり、偽造したりするのは犯罪。この場合だと儲かるが、最後の運送業者が納得しているシーンがおかしくなる(犯罪の片棒を担がされて安堵しているのは変)。

2.箱を開けないケース
為替の拒絶がキー。
輸出用と為替用が別々に運び込まれていて、為替の拒絶によって浮いた分を輸出に転用するのだが、為替用をどうやって運び込んだかが説明できない。


結局私の考えではどちらの解も今一歩となってしまう。
このままではすわりが悪いので、後の巻できっちりと作者が謎を生かしてくれることを期待してやまない。

☆☆☆(☆三つ)



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