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今までのシリーズでは一番:少年計数機―池袋ウエストゲートパーク [小説]


少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉 (文春文庫)

少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉 (文春文庫)

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 文庫



第1巻と第3巻のエントリはこちら
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-03-17
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-04-16

第1巻と第3巻をすでに読んでいたけど、シリーズでは本作が一番。
厳密には、本作の「水の中の目」が一番良かった。

本書は4つの作品で作られている短編集だが、最初の3つについては本シリーズでよくあるパターン。
やばい世界の淵を覗きながらも、人情味あふれるスカッとした物語である。
特に表題にもなっている「少年計数機」はある種心が温かくなる物語である。「骨音 池袋ウエストゲートパーク3」のレビューでも書いたように、時代劇のような予定調和の安心感がありながら爽快感を伴う良作になっている。

ところが、オススメの「水の中の目」は本書の中で一番重たく、ダークだ。主人公真島誠の取った行動には賛否両論あるだろう。しかし、その重たさ故に私が第1巻~第3巻までで一番だと思う怪しく人を引き付ける輝きが存在しているのだ。

池袋の人情味のあふれる探偵も、時には残酷な道を選びたくなる。
人間である以上、常に選択は存在するし、我慢の限界もある。
そういう人間の暗い部分、弱い部分がはっきりと出ているのがこの短編の魅力になっている。

きれいごとだけで終わっていない本書は、私が読んだシリーズの中で一番の出来になっている。

☆☆☆☆(☆四つ)




他のブログの反応はこちら等。概ね好評だが、私の一押し「水の中の目」には気分が悪くなると言う意見も合ったので、人それぞれということを実感させられる。
http://blog.goo.ne.jp/ippoyomo1956/e/6de0d0453c125a5e7c359ad7854b0b98
http://drupal.cre.jp/node/1555
http://miz2007.blog99.fc2.com/blog-entry-55.html
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コメント 2

うっしい

石田衣良はIWGPシリーズもいいけど4TEENやアキハバラ@DEEPも面白かったですよ。
by うっしい (2008-05-18 17:33) 

book-sk

>うっしいさん
コメントありがとうございます。
4TEENは読んだことがありますが、かなり面白かったです。
アキハバラ@DEEPは未読なので、今度挑戦してみたいですね。

うっしいさんのblogの評価も結構見させていただいてます。
by book-sk (2008-05-18 18:13) 

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