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教科書のイメージを膨らませることが出来る本:決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 [経済]


決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44) (朝日新書 44)

決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44) (朝日新書 44)

  • 作者: 國貞 克則
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2007/05/11
  • メディア: 新書



本書は、簿記・会計についてイメージを膨らませることが出来るところに特徴がある。
基本的な知識については、教科書・参考書で学ぶことが出来る。しかし、多くの人に経験があると思うが、教科書で学んだ知識は現実にはどう使うか分からないことが多い。
本書は教科書的な知識を現実に適用しようとする時のギャップを埋めるために役立つ本である。

【目次】
第1章 会計は難しくない(なぜ会計の苦手意識がなくならないのか 六本木ヒルズの「人気講座」 ほか)
第2章 財務3表の構造を知ろう(損益計算書(PL)の「五つの利益」 売上高比の棒グラフを作ろう ほか)
第3章 財務3表一体理解法 基礎編(資本金300万円で会社を設立する 事務用品を現金5万円で購入 ほか)
第4章 決算書を読み解くツボ(収益性を見る財務分析指標の利用法 安定性を見る分析指標の使い方 ほか)
第5章 新会計基準もわかる財務3表一体理解法 発展編(退職給付会計を適用し、「退職給付費用」5万円を計上する 「貸倒引当金」を10万円計上する ほか)

私が簿記をかじった時の感覚は、仕分けとそれに伴う処理は単なる暗記なので難しくもなんとも無いけど、一年の利益が次の年の資本金に繰り入れられる感覚が分かりにくかった。一枚一枚のBSは難しくないけど、会社の永続的な活動を財務諸表に表すのは難しいと感じたのだ。

ところが、この本を読むと会社の活動がどのように財務諸表に現れるのかがよくわかる。
その理由は二つあって、
1.タイトルのとおり財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)を一体として見ることで、漏れなく理解できるようになる。
2.本書は、会社の一つ一つの行動によって、どのように財務諸表が変わるかを段階的に示している。

1.によって、既存の財務諸表を読む力が格段に向上する。私のつまずきの原因は貸借対照表ばかりを見ていたことにあったのも、本書を読んでやっと原因が分かった。本書のこの視点は、投資や会社での業務にも役立つものである。
また、2.によって財務諸表の意味を具体的イメージを伴って理解することが可能になり、財務諸表上の数字を生きたものとして捉えることが可能になる。これは財務諸表を読むだけでなく、書くときにも役立つ。

上記のように、本書をマスターすれば、財務諸表を理解する力が向上し、人の書いた財務諸表を理解することが可能になるのはもちろん、スモールビジネスの場で自分で財務諸表を作ることも可能になるであろう。
そして、本書は具体的イメージを伴っているがゆえに理解しやすく、財務会計の初歩をやさしく理解したい人や、自分で起業したりサイドビジネスを起こしたりしたい人にはオススメできる一冊である。

☆☆☆★(☆三つ半)



他のブログの反応はこちら等。
どのブログも上々の反応です。
会計本は乱立の傾向にあり、中にはとんでもないものも多く存在しますが、本書は読んだ私の感想も、他のblogの反応も悪くなく、取っ掛かりの一冊としては悪くないことが分かります。
http://mocha1122.exblog.jp/7922490/
http://blog.goo.ne.jp/hk1006/e/badfa915ee2bfd7d700199662ddb0ec2
http://hrtn.blog83.fc2.com/blog-entry-250.html
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