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老人最適化ニッポン [opinion]

Chikiiinの日記さん
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080921
でおもしろい記事があった。

若者の投票率が低い(その上で結束力もない)ために、うまく影響力を行使できていないと言う話だが、この内容自体は非常に納得。おもしろい記事なので是非とも読んでほしい。

ただ、私がここで触れようとしているのは、コメントにある「今時日曜日に半日かけて公共施設に投票に行かなければいけないのはおかしい。電子投票でも何でもやって投票しやすいようにするべき」(概要)という意見。
たぶんこのコメントを書いた人は、実際に会社勤めしている現役世代なんだろうと思う。私もその意見には同意である。でも、その実現は難しいだろうとも思う。

なぜなら、今の日本の公的制度は老人の価値観に支配されているから。

その如実な例が今の選挙制度で、今の制度は現役世代の人には利用しにくい。たとえば、勤め人だと、休日出勤や海外への出張に当たると投票日に投票に行けないし、自営業も含めて客商売ならそもそも日曜が休みでない業種も多い。
10年ぐらい前まではそもそも日曜に休めない人の投票は難しかった。

今は、不在者投票が緩和されたおかげで公示後に1日だけ余裕を作れれば、自分の住所地なら何とか投票できるようになった。それでも20時までには住所地の投票所に行かなければならない(東京都選管の場合)ので、非常に使いにくい。仮に通勤に1時間かかるなら、19時を超えて仕事が終わる人なら平日の投票は不可能になる。土日出勤が入るような状況ならそんな時間に行けるわけがない。それこそ、キャリア官僚の中には投票に行けない人が少なからずいるんじゃないかな?

昔(昭和40~50年代)の感覚だと、土日のどちらかは休めたのだろうし、2週間(だいたいの選挙期間)の間休みなしの職場なんて考えられなかったのかも知れない。でも、この投票条件は現代の居住・労働事情には合致していない。

電子投票とまでは行かなくても、郵送での投票を認めたり、ターミナル駅で深夜までの投票所を開けておくだけで解決しそうな問題なのに、そんなところに頭が回らないらしい(若者に力を持たせるとやっかいだから老人がわざとやっているという考えはあるけど、あえてこのエントリではそのような故意には触れないことにする)。
費用は電子投票とか郵送での投票の方が場所も監視人もいらないのだから安くなるだろうし、信頼性にしたってはがきで投票用紙の引換券を送るのに比べればよっぽどましだ。


選挙の投票だけじゃなくて、日本の公的制度は老人の感覚で構成されていることが多い。
たとえば、保育所の待機児童が多い問題だって、共働きとかシングルマザーが珍しかった昔の感覚のままだから起こっているとしか思えない。特別な人が保育所を利用するイメージだから、予算投入も制度整備も進まない。
でも、今は共働きの方が多くてもおかしくない。正式な統計はわからないけど、少なくとも圧倒的に共働きが少数派と言うことはないはず。

ほかの例では、地方自治体のお知らせが新聞の折り込みで行われている例がある。
今時、紙で印刷された日本の新聞を取るのは「常識」に属する行動ではない。にもかかわらず、私の住んでいる練馬区の場合を例にすると、紙の区報をもらおうとすると、特に申し出る必要がある。新聞の折り込みで入れているから特に広報もしていないらしい(少なくとも私が転入したときに紙の区報の郵送を希望するかどうかを聞かれたことはない)。
Webページにはpdf版があるので、あまり実害はないのだが、「新聞を取っていることを常識」とした昔の感覚でサービスが構成されているのだ。

国勢調査のやり方にしても、昼間は誰かが家にいると言う、昔の感覚を前提にしてると言えるよね。


このように、今の日本の制度は老人の感覚で、老人に最適化された形で構成されていることが多い。これは実に大きなハンデで、現役世代が選挙を通じて影響力を発揮しようとしたときに大きな壁となっていると考えられる。

この老人バイアスと、ここでは触れなかったけど農家バイアス(農家を前提にした制度って意外と多いです)が日本をじわじわとだめにしている元凶の大きな部分を占めているように思えてならない。







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