中二病全開：ディスコ探偵水曜日

ディスコ探偵水曜日 上 (1)

• 作者: 舞城 王太郎
• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 2008/07
• メディア: 単行本

ディスコ探偵水曜日 下 (2)

• 作者: 舞城 王太郎
• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 2008/07
• メディア: 単行本

舞城王太郎の最新作。本の見返しに書かれていた言葉は「本書は著者最大の長編である」

でも、舞城王太郎のこんな長い本を読んだら疲れてしょうがない

舞城王太郎の小説を知っている人なら想像がつくと思うが、この人の文体は修飾語が多く、句読点の少ない、一文がやたらに長い文章を続けることで勢いを感じさせる書き方である。デビュー作の「煙か土か食い物 」ぐらいの分量だと、心地よい疲労感と高揚感を伴って読み終わることができる。

でも、本書のように著者最大の長編ともなると話は違う。長い小説は比較的苦にならないし、読書自体は大好きな私でも疲れるというか、どうでもよくなると言うか……。
とにかく読み終わった今は疲労感でいっぱいだ。まるで、日頃マラソンを楽しむ健脚のランナーが、興味本位で1000K走にエントリしてしまい、始めた以上引っ込みがつかなくなって完走したけど終わった後は疲労感と自己嫌悪でいっぱいになってしまった様な状態だ。

小説のストーリーも私の苦手とする物だ。いわゆる「セカイ系」。SFとも超常現象・超能力とも異なる、自分の意識が世界のあり方を決めると言う設定。
非常に内向きの世界を描いた小説なので、「煙か土か食い物 」で私が感じたきらめきは、本書では感じることはできなかった。
「好き好き大好き超愛してる。」で私が感じた、いやな部分を補ってあまりあるパワーは本書には見あたらず、いやな部分が露出しているように思えた。

私の感想からもわかるように、はっきり言って本書は非常に間口の狭い、ニッチを狙った小説だと思う。舞城王太郎の「九十九十九」の世界とリンクしているなど、熱狂的な読者にはたまらないのかも知れないが、人を選ぶことは間違いない。

最初の第一章を読んでみて、そこで苦痛を感じなければ大当たり。最後まで一気に読むといい。
逆に最初の一章で苦痛を感じたらすぐに投げだそう。残りはまだまだ長いのだ。

☆☆（☆二つ）

他のBlogの反応はこちら等。
（ポジティブな評価）
http://maijo.blog44.fc2.com/blog-entry-40.html
http://blog.goo.ne.jp/t5754380/e/0d9063fa7ed801bdf8c8013dea7fb83e
http://kotodomo.exblog.jp/9527317/
http://d.hatena.ne.jp/ud1/20080904/p1
http://blogs.yahoo.co.jp/belarbre_820/44491946.html
（ややポジティブな評価）
http://kizuki39.blog99.fc2.com/blog-entry-370.html
http://d.hatena.ne.jp/KASUKA/20080901/1220262598
（ニュートラルな評価）
http://d.hatena.ne.jp/poppokobato/20080913/p1
（ややネガティブな評価）
http://d.hatena.ne.jp/pnu/20080909/p1

Blogに読了してエントリをあげていることからもわかるように、ポジティブなエントリが多い。このことからも、肌に合う人には最高クラスの楽しみたり得るのだろう。
また、どのように評価する人も、このほんの長さに言及していることからもわかるように、分量はとてつもない。

タグ：ライトノベル 舞城王太郎 ミステリ ☆☆