人生は苦しい、それでも素晴らしい。:ニーチェ入門 [哲学]
ウィンプにとって重要なのは、マッチョに対して妬みや羨みを抱くことではなく、ダンコーガイの生き方をモデルとして、それにあこがれつつ生きるという課題である。
(いや、ネタですよ。当然。)
【目次】 第1章 はじめのニーチェ 生涯 ショーペンハウアーとワーグナー 『悲劇の誕生』について;『反時代的考察』について 第2章 批判する獅子 キリスト教批判―『道徳の系譜』について 「道徳」とルサンチマン 「真理」について ヨーロッパのニヒリズム 第3章 価値の顛倒 「超人」の思想 「永遠回帰」の思想 第4章 「力」の思想 徹底的認識論としての(認識論の破壊としての)「力への意志」 生理学としての「力への意志」 「価値」の根本理論としての「力への意志」 実存の規範としての「力への意志」
ニーチェの思想をわかりやすく解説した新書。
本書のようなわかりやすい本が高校時代に出ていたなら、ニーチェを投げ出すこともなかっただろう。新書は粗製濫造になっているきらいはあるが、今の若い人は、こういう良書も存在するなら、今の若い人は素直にうらやましいと思う。
宗教的な真理や道徳を難の疑いもなく信じてしまっていないだろうか?人生の苦しみを他のせいにして自分をごまかしていないだろうか?自己中心的な気持ちを持つのは、自分にやましいところ、至らないところがあるからなのだろうか?
ウィンプはマッチョを酸っぱい果実の理論でおとしめることで、自分に嘘をついていないだろうか?
若者は老人が生きた人生をうらやむだけで、全て老人が悪い決めつけて、自分は何もしない状態に陥っていないだろうか?
人生に特別の意味があることを信じ、目的探しに無駄な時間を割いていないだろうか?
本書を読んでいるうちは、深い思索を体験することができる。もちろん錯覚かもしれないが……
それにしても、21世紀になった今でも、ニーチェはやっぱり刺激的だ。
熱気に当てられてよく分からないエントリになってしまったが、最後に一つだけ。
本書を読んでいて思ったのは、「新版 論理トレーニング」、「論理トレーニング101題」を読んでいてよかったと言うことだ。
これらの本を読んだときは、何故「哲学教科書」シリーズになっているか分からなかった。これらは哲学以外にも活かせる内容だからだ。
しかし、本書を読んで「哲学教科書」シリーズになっている意味が分かった。
哲学について書いた本を読んで理解するには、最適の事前トレーニングであったのだ。
【エントリはこちら】
「新版 論理トレーニング」
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-04-28
「論理トレーニング101題」
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-05-22
☆☆☆☆(☆四つ)
他のBlogの反応はこちら等。
(この本を手に取るきっかけになった、分裂勘違い君のエントリはこちら)
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20081118
(ポジティブな評価のエントリ)
http://coopertown.exblog.jp/8959439/
http://son-son.sakura.ne.jp/review/post_124.html
http://klesa.seesaa.net/article/33133061.html
http://mechagappa.blog14.fc2.com/blog-entry-558.html
http://retz.seesaa.net/article/100976547.html
わかりやすい本書だけあって、皆さん感想は様々なれど、本に対して悪い感想は抱いていない。
ニーチェに興味を持った人なら、とっかかりに勧めてみたい。いきなりニーチェの著作に入るよりは挫折率が低いはず。
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