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事業仕分けに関する雑感二つ [opinion]

民主党の事業仕分けで、科学技術関連事業が廃止・削減を勧告されたことが話題になっている。
次世代スパコンの要求見送り、スプリング8(大型放射光施設)や競争的資金に対する予算削減などなど。

これに対して、人材に対する給付を削ったら先細りになるだけだとか、仕分け人に技術に詳しい人がいないのに削減を勧告するのは間違っている等の反論がネットでは主張されている。

この点について、私が思ったことが二つ。

1.今回は省庁別の大枠を維持するための仕分けなんじゃないか?
2.民主党だけを批判する人は全体を見ていないよね?

この2点だ。
まず、1.の省庁別の枠があるんじゃないか?と言う疑問。
これは、12月に来年度予算案が出るまでわからないんだけど、文部科学省は高校無償化があるし、その増額分を埋めるために科学技術関連事業の予算が切られたのでは?と思ってしまう。

その他の省庁でも、国交省は高速道路道路無償化や羽田の整備があるし、農水省は農家の所得保障、厚労相は年金調査がある。

今回の事業仕分けの仕切りは財務相らしいから、総枠を維持するための仕分け対象事業チョイスに見える。
この推測が当たっているかどうかは、年末にわかるわけだが……。


次に、2.の民主党だけを批判する人への違和感について。
確かに今回の決定をしたのは民主党なのは間違いないのだけど、そこだけを批判するのは、野球の試合で負けたのを最後のバッターがアウトになったからだと批判するぐらい的外れだ。

そもそも、国家財政に余裕があれば、事業仕分けなんて必要ない。
でも、財政赤字・高齢化に悩まされる今の日本に、科学予算を聖域化して無尽蔵に認める余裕はない。
そして、ここまで追い込まれているのは、民主党だけの責任ではないはずだ。

さっきの野球のたとえで言うなら、今回の民主党の判断は、9回裏に真ん中の棒玉を空振り三振するぐらいひどい判断だと思う。
それでも、9回裏まで負けているのは最後のバッターだけの責任じゃない。
民主党、自民党をはじめ、学者・マスコミ全てが今までにためてきたツケが最悪の形で回ってきたと言えるだろう。

願わくば私や私の子供の時代のために、ラストチャンスが残されていますように……。





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コメント 4

夢も希望も無い民主党

次世代スーパーコンピューターなどの科学技術関連予算が事業仕分けで見送られるようでは、民主党政権には夢も希望もない。
ノーベル賞受賞者が怒るのも無理は無い。
民主党の蓮舫のような科学技術に無知で、日本の将来に無関心な人物が仕分け人では、致し方ないこと。
毎年2.5兆円の税金を使う高速道路無料化は、無駄な予算であるから、事業仕分けによって廃止してもらいたい。
民主党には成長戦略が無く、成長のための投資と無駄を区別する能力も無いことが見えてきた。
なお、現在の性能順位は、1~3位は米国、4位はドイツ、5位は中国、6~10位は米国、日本は30位以下。
by 夢も希望も無い民主党 (2009-11-17 09:38) 

book-sk

コメントありがとうございます。

ただ、今の日本には科学技術を聖域化する余裕がないのも事実です。
そうなった経緯を無視して、民主党が悪いと言うだけではアンフェアです。

本当は5年以上前に、じっくりと仕分けをしておくべきだったのですが……。
by book-sk (2009-11-17 22:02) 

街猿

「公開仕分け」の決定には、法的拘束力(強制力)がないそうですね?
あくまでも各省庁&機関への指導(指針)だそうで・・・。
この辺りから、少々“政治的パフォーマンス”の臭いがしないでもないのですが・・・、まあ、今まで「公開」される事自体がなかったわけですから、
その点では、意味があるのでしょう。
・・・しかし、仰る通り「遅きに失している」感は否めませんね。
by 街猿 (2009-11-24 18:46) 

book-sk

>街猿さん
コメントありがとうございます。

”仕分け”は政治的パフォーマンスで、実効性も怪しいことがだんだん世に知られてきたところですね。
今後どうなるかわかりませんが、パフォーマンスとしては、悪くない部類だと思います。

そもそもこの国をどうしたいのかが見えない(同じように予算を査定していた小泉内閣の時はそれが見えていた)等の問題はありますが。

仕分けについては、実効性はともかくニュースを見る度に、つくづくこれをもっと早くやっているべきだったとは思います。
by book-sk (2009-11-24 23:15) 

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