科学的な行動の選び方:はじめてのOR―グローバリゼーション時代を勝ち抜く技法 [科学]
はじめてのOR―グローバリゼーション時代を勝ち抜く技法 (ブルーバックス)
- 作者: 斉藤 芳正
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/05
- メディア: 新書
オペレーションズ・リサーチ又はオペレーショナルリサーチ(以下ORで統一)と呼ばれる考え方についての入門書。ブルーバックスだけ合って、中高生でも十分に理解できる平易な記述がされている。
【目次】
第1章 ORとはなんだろう
(そもそもORとは? 意思決定のためのOR ORの特徴 ORの定義)
第2章 実際にORを使ってみよう
(どのようにORを適用するか 実際の問題への適用)
第3章 ORのあゆみ
(ORの誕生と発展 OR関係年表)
ORとは、第二次世界大戦時の軍でその考え方が生まれた科学的な意志決定手法。
正確な定義は以下の引用の通り。
ORとは、科学的な方法・手法・用具を隊形の運用に関する問題に適用して、運用を管理する人に問題に対する最適な解を提供すること。
そうした、軍で生まれたORの考え方を本書では元自衛隊の研究隊に所属していた筆者が解説している。
ORについての内容は本書でわかりやすく解説されているので読んでもらうにして、本書の最大の特徴は、自衛官の筆者らしく実際にどう使うかという点に気を遣って書かれていると言うことである。
私も現役・元職の自衛官の人と話す機会があったのだが、彼らの特徴は実際に使えるかどうかを気にするところにあると言える。逆に言うと、理論的な精密さや網羅性が若干犠牲になっている部分も存在する。そういった点で、学者の書物の書き方とは対極にあると言えよう。
本書は入門書だけあって、あっさり読めるし、参考文献も挙げられている。
ORに興味を持った人、ORと言う言葉だけは聞いたことがあった私のような人は手に取ってみてもいいだろう。
☆☆☆(☆三つ)
余談だが、私は高校時代に文系の学生は岩波新書を、理系の学生はブルーバックスを読んでおくといいと指導された経験を持つ。
しかし、社会人になって思うことはその逆だ。
文系の学生は岩波新書的な文章には大学・社会人で嫌と言うほど触れるので、ブルーバックス的なものを高校・大学時代でいっぱい吸収しておくと良いと思う。直接役立つことは少ないだろうが、後々会話・考え方の幅になるはずだ。(理系の学生は逆に岩波新書の様なある意味論理的ではない文章に触れておくと良いと思う)。
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(ポジティブな評価のエントリ)
http://d.hatena.ne.jp/abekoji/20080203/1201973104
http://d.hatena.ne.jp/suika_1106/20081220/1229774205
見つかったエントリの数は少なめ。
ORと言う言葉をタイトルに入れるのは、検索に向いていないと思われる。
2002年の書物なので、インターネット検索を念頭に置いてはいないのだろうが……。
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