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ガラパゴスを生み出す税制 [opinion]

情報通信の世界では、日本のガラパゴス化が話題になるのは珍しくない。
でも、情報通信のガラパゴス化は民間企業が競争した結果そうなった部分が多いのだし、おサイフケータイのように、日本しか通用しないけど便利な機能もあるので、国だけが悪いとまでは言い切れない。

でも、日本には国が定めた税制のせいで、ガラパゴス化してしまっているかわいそうなジャンルがある。
それは……ビール

国税庁HPの酒税率から引用
http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/qa/01/02.htm

分類 該当する酒類 アルコール分 1リットル当たりの税額 1度当たりの加算額
発泡性酒類 ビール【基本税率】
発泡酒(麦芽比率25~50%)
発泡酒(麦芽比率25%未満)
その他の発泡性酒類
(ホップ等を原料としたもの(一定のものを除く)を除く)
20度未満
10度未満
10度未満
10度未満
220円
178円
134円
80円



醸造酒類 清酒
果実酒
その他の醸造酒【基本税率】
22度未満

20度未満
120円
80円
140円


蒸留酒類 しょうちゅう【基本税率】
ウィスキー/ブランデー/スピリッツ
20度
37度
200円
370円
10円
10円
混成酒類 リキュール/甘味果実酒
合成清酒
みりん
粉末酒
雑酒【基本税率】
12度



20度
120円
100円
20円
390円
220円
10円



11円


麦芽25%未満の発泡酒だと本物のビールの6割程度の税率。
いわゆる第3のビールは本物のビールの36%程度の税率になっている。

このふざけた税率に最近のデフレ傾向が相まって、スーパーでは本物のビールよりも発泡酒の売り場の方が多くなっている有様だ。
しかも、携帯電話の日本独自機能のように見方によってはいいことがあるわけでもなく、世界では全く通用しない日本だけの商品を開発するために酒造メーカーのリソースが喰われてしまっている。

そもそも、この税制は誰が得しているのだろうか?
ビール会社はガラパゴス化した市場に対応する必要が出てきている。
徴税する国にしても、酒税収入は急激減少中なので、特段儲かっているとは思えない。
国民も、日本という世界有数の先進国にありながら、まともなビールさえも飲めなくなってしまっている

どう見ても、比較的酒税の安い日本酒業界の陰謀だとしか思えない。
これも田舎の票の価値が高いことから生まれた歪みの一つなんだろうね……

財務官僚からは世界で戦えるビールメーカー育成のために、酒税のフラット化(アルコールに対してグラムあたり○○円という課税)を実施しようというアイデアは出ないのだろうか?所得税のフラット化よりはよっぽど抵抗が少ないだろうし、それなりに意味はあると思うんだけど。






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