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軍師達の青春:早雲の軍配者 [小説]


早雲の軍配者

早雲の軍配者

  • 作者: 富樫 倫太郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2010/02
  • メディア: 単行本



最近流行のライト路線歴史物。
歴史としての正確性よりもエンタテイメントに力が入っているのは私の好みと一致する。
(小説に面白さより正確さを求めるのは間違っていると思う)
本書は、歴史をベースに青春・友情・ライバルとの戦いのテイストが入っていて、少年漫画の原作としても十分にいけそうな感じだ。

本書のストーリー

戦国時代初期、伊豆韮山に住む孤児の風間小太郎は伊豆・相模の支配者伊勢宗瑞(=北条早雲)に学問の才能を見いだされ、足利学校で軍配者となるべく修行を始める。
足利学校で努力と青春の4年間を送った後、北条氏の軍配者・風摩小太郎として、足利学校での友人であり、ライバルでもある曾我冬之介が軍配者を勤める扇谷上杉との合戦に挑む――


軍配者とは、軍師・天気予報士・占い師(出陣の日付等の吉凶を占う)・戦場での作法師範(礼儀作法に則った首実検を差配する)といった役割をこなすアドバイザー。
本書の舞台は戦国初期なので、軍配者の役割が分化して行く途上の時代。そうした時代において、本書の主人公達は、戦術が専門の軍師になるために助け合いながら努力して、一人前になった後はライバルとして戦場で戦うことになる。

本書は歴史物と言っても、戦場での活躍を描く英雄譚というよりも、軍師になるために足利学校で青春を送る青春ものの割合が大きい。
その出自から、いずれは敵となって戦場でまみえることが確実な仲間と切磋琢磨しながら学問に励む。そのシーンが本書最大の魅力であり、読者を引きつける力の源泉でもある。

amazonで検索しても、今のところ漫画化はされていないみたいだが、漫画にこそ向いている素材だと思う。少なくとも同じライト歴史物で漫画になった「のぼうの城」よりはよっぽど向いている。

本格派のようなどっぷり感を味わうには軽いが、十分に楽しめる一冊である。

☆☆☆(☆三つ)

実は、このエントリを書く中で、敢えて一人の主要登場人物の名前を隠して書いている。
これは読んでのお楽しみにしておきたい。私はこの人物が誕生(あえてこう書く)するシーンが本書で一番のお気に入りだ。

他のBlogの反応はこちら
(本書をポジティブに評価するエントリ)
http://ufit.blog3.fc2.com/blog-entry-1139.html
http://blog.goo.ne.jp/rinsuzuki/e/4f41384d696d09c27fbef7800986d76e
http://zaq52.blog51.fc2.com/blog-entry-1078.html
http://ameblo.jp/adaken66/entry-10543398383.html
http://d.hatena.ne.jp/basyura/20100314/p1
(微妙な評価をするエントリ)
http://schwesterschutz.blog49.fc2.com/blog-entry-1057.html
基本的には皆さん高評価。微妙な評価もラストの中途半端さを惜しむ声ですし。
表紙買いしても損がないと思います。





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