正しい自己啓発：その科学が成功を決める

その科学が成功を決める

• 作者: リチャード・ワイズマン
• 出版社/メーカー: 文藝春秋
• 発売日: 2010/01/26
• メディア: 単行本

自己啓発本の決定版。ただその一言が本書を著している。

”成功した自分をイメージする”ことは、どの程度実際の成功に役立つのだろうか？
ストレスを受けたときの解消法として正しいのは、カラオケでシャウトすることなのか、サンドバッグを叩くことなのか、座禅を組むことなのか？
ブレーンストーミングで本当に良いアイデアは出てくるのか？

こんな、”俗説”に対して、本書は検証をくわえた上で科学的に効果測定しているので、科学的に役に立つ自己啓発法を知ることが出来る。

【目次】
実験1 「自己啓発」はあなたを不幸にする―「自己啓発」を実践している人は、何もしない人より幸福度が低いという衝撃のデータ
実験2 「面接マニュアル」は役立たずだった!―「ヘマをしたほうが好感度がアップする」という米デューク大学の大規模調査
実験3 イメージトレーニングは逆効果―ペンシルヴェニア大学研究室発「プラス思考が人生を暗くする!」
実験4 まちがいだらけの創造力向上ノウハウ―オランダでの研究成果「暗示をかけるだけで人は創造的になれる」
実験5 婚活サイトに騙されるな―ノースウエスタン大学発「大勢にモテようとする女は敬遠される」
実験6 ストレス解消法のウソ―アイオワ州立大の研究では「カラオケは逆効果」
実験7 離婚の危機に瀕しているあなたに―「夫婦間の話し合いは効果なし」ワシントン大学調査が下した冷徹な事実
実験8 決断力の罠―「集団で行う意思決定はリスクが高い」というMITの実験結果
実験9 「ほめる教育」の落とし穴―コロンビア大学発「ほめられて育った子供は失敗を極度に恐れるようになる」
実験10 心理テストの虚と実―アテにならないこれだけの科学的根拠

本書を読んでまず思ったのは、一般に言われている自己啓発法の中には、役に立つどころかかえってマイナスになる悪い効果を持ったものが数多く存在すると言うこと。
ハッキリ言って、科学的裏付けのない自己啓発法を鵜呑みにするのは、怪しいダイエット食品を常用するようなもので、非情に危険なのだ。

例えば、冒頭にも挙げた”成功した自分”を想像するイメージトレーニング。
これなどは、イメージしたが故に、現実逃避が増えて、努力をしなくなると言う弊害の方が多いやり方なのだ。
では、どうすればいいのか？
それも本書にはばっちりと書かれている。成功に向かって進むには、客観的な目で、一歩一歩着実に進む自分を、具体的な障害なども想定しつつイメージする方が良いのだ。

この他にも、”子供を褒めて伸ばす”やり方の間違いや、”大声を出してストレスを解消する”ことの間違いなど、知らなければはまってしまう”自己啓発の罠”が本書ではたっぷりと解説されている。

昔ながらの方法ではあるが、根拠のないウサギ跳びで足腰を鍛えるような方法を進める、自称”自己啓発本”はさっさと窓から投げ捨てて、科学的に証明された本書を読んでみよう。そのクオリティの高さに感動できること間違いなしだ。

日本の自己啓発本のレベルの低さがわかると共に、本当に役立つ弊害のない方法がわかる一冊。
私は本書を借りて読んだけど、手元に置いておくために購入した。
ビジネスマンであるならば、傍らに置いておくのにふさわしい本だと思う。

☆☆☆☆☆（☆五つ。満点！！）

他のBlogの反応はこちら。
（本書をポジティブに評価するエントリ）
http://blog.livedoor.jp/niwa_blog/archives/2918971.html
http://suguri-bingo.jugem.jp/?eid=445
http://noigiar.net/blog/2010/05/000584.html
http://blogs.yahoo.co.jp/gaya1214/59542424.html
http://blog.waioi.com/hibidoryoku/kiji/11275.html
http://d.hatena.ne.jp/moto0215/20100523/1274624904

皆さん高評価。
そして、私もそうだけど、自己啓発・能力アップ系の本をいっぱい読んでいる人ほど、得るものが多く感動できるようです。
そういう意味では、”決定版”という言葉がふさわしい一冊でしょう。

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