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最新科学かトンデモか:亜玖夢博士のマインドサイエンス入門 [小説]


亜玖夢博士のマインドサイエンス入門

亜玖夢博士のマインドサイエンス入門

  • 作者: 橘 玲
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/03/26
  • メディア: 単行本



橘玲が「お金」の物語を離れて、新天地を志した最新作。

本書を読んだときに、私が最初に思い出したのは松岡 圭祐の「千里眼」シリーズ。文体、ターゲット、時代背景からくる裏付け知識など異なるところはいっぱいあるんだけど、なんか似てる。
最近の人はこの紹介じゃピンとこないだろうけど……。

【目次】
第一講 認知心理学
第二講 進化心理学
第三講 超心理学
第四講 洗脳
第五講 人工生命


本書のテーマはずばり”脳”。
脳に関する科学を基に、突拍子もないストーリーを付け加えたのが本書である。

前作「亜玖夢博士の経済入門」の脳科学版だと思っておけば間違いない。

ただ、私個人としては本書よりも前作の方が好き。
その理由は二つ。
1.筆者のシニカルな語り口は自然科学より社会科学向け
2.キャラクターが多く出過ぎていて、一人一人のキャラが立っていない

このうち1.については好みの問題かもしれないが、2.は……。
そもそも、亜玖夢博士すら影が薄い。読み終わって1日おくと、主要な登場人物の名前が思い出せないぐらいのキャラの薄さが本書の魅力を大きく損なってしまっている。

ストーリー自体は科学がぶっ飛んでトンデモの域との境目にうまく落ち着いていて悪くないんだけど、それを支えるキャラクターが若干残念。
もうちょっとなんとかなったんじゃないかな……

☆☆☆(☆三つ)

他のBlogの反応はこちら
(本書をポジティブに評価するエントリ)
http://www.minbizyoume.com/weblog/2010/06/post-110.html
http://ikadoku.blog76.fc2.com/blog-entry-849.html
http://kabushiki.blog32.fc2.com/blog-entry-1022.html
(私と一緒で本書にちょっと微妙な評価をするエントリ)
http://iiyoi.seesaa.net/article/151471623.html

私のように「千里眼」シリーズを思い出したエントリは見あたらず。歳を取ったのかなぁ……。
ちなみに、脳の本をいっぱいだす脳科学者よりは面白いというエントリを見つけた。それは全力で賛同する。





タグ:☆☆☆ 橘玲
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