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ホンモノのメディア・リテラシー:スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術 [社会]


スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術 (講談社プラスアルファ新書)

スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術 (講談社プラスアルファ新書)

  • 作者: 窪田 順生
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/09/18
  • メディア: 新書



政治家・官僚・企業が行う情報操作について、詳細に書かれた本書。
情報操作についての細部を描いた本書を読むと、皮肉なことだが、メディア・リテラシーが格段に向上する。

【目次】
第1章 闇に葬り去られる記事
第2章 スキャンダルをモミ消せ!
第3章 国家のスピン
第4章 官僚たちのスピン
第5章 選挙というスピン合戦
第6章 異形のスピンドクターたち
第7章 新たな「スピン」の台頭


メディアで取り上げられる全ての情報は、発信者が何らかの意図を持って流している
本書は、当たり前のことではあるが、日本ではあまり意識されることのないこの事実について、冷酷なまでに現実を見せつけることで強く意識させてくれる。

新聞は自分たちの意図を持って、世論調査の結果を誘導しているし、テレビは誰の得にもならない情報はどんなに重要な情報でも流すことはない。インターネットの掲示板では、自分たちの良いような情報を一方的に書き込んでいる。

こうした全ての事実について、大手新聞からカストリ雑誌まで多種多様なメディアに勤務した経験のある筆者が、実体験から事実に基づいて詳細な記述をしてくれるので、今の日本に満ちあふれている情報操作がよくわかるのだ。

では、情報操作にまみれているメディアの情報には価値がないのだろうか?
決してそんなことはない。

その情報を流した人がどんな意図を持って情報を流したのかを考えることで、真の姿が見えてくる。
このエントリで取り上げた「ニュースがまちがった日―高校生が追った松本サリン事件報道、そして十年」では、高校の放送部の取り組みを通じてメディア・リテラシーの重要性を説いている。が、ハッキリ言うと、そんなものより本書の方が100倍メディア・リテラシーの教育には役立つ。

みもふたもないのは事実だが、本書は学校教育でも十分使える。
そんな確信を持たせてくれる良書である。

☆☆☆☆(☆四つ)

他のBlogの反応はこちら
(本書をポジティブに評価するエントリ)
http://blog.goo.ne.jp/ryuzou42/e/0ed64b3dac4608c33805dc65a1ec7c53
http://plaza.rakuten.co.jp/sitagi/diary/201001120000/
http://smoothfoxxx.livedoor.biz/archives/51726753.html

私の経験からも、日本の組織でスピン(≒情報操作)が一番うまいのは、おそらく霞ヶ関。
悪名高き記者クラブ制度のせいで、行政からの情報操作は非常に多いし、永田町当たりのスピンに比べるとはるかにスマート。
この点を意識するだけでも、メディアに対する見方は変わってくるかも。





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