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孫悟空はどこに行ったのだろうか?:SOSの猿 [小説]


SOSの猿

SOSの猿

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2009/11/26
  • メディア: 単行本



昔の作品は大好きだった。
でも、何故か最近の作品は肌に合わない伊坂幸太郎。

それでも手に取らずにはいられないのは、どこかに愛が残っているからか。

本書もこのエントリで書いた「あるキング」よりは良かったけど、手放しでは褒めにくい……。

本書の素晴らしいのは、誰かが悲しんでいることを放っておけない主人公をはじめとした、筆者独特のキャラクター造形。これは昔から変わらずほんわかしており、今でもわたしが大好きな部分だ。

逆に、ちょっと首をかしげるのはストーリー。
確かに、筆者のストーリーは昔から突拍子もないものが多く、ライトノベル並みの非現実感なのだが、最近はそれが度を超しているように見受けられる。奇をてらいすぎているというのが正しいだろうか……。
ここの部分が最近の筆者の作品で残念な思いをすることの主たる原因だ。

もしかするとわたしが歳を取って、奇抜なものを受け付けなくなっているのかもしれない。
あるいは、筆者の作風がより極端になっているのかもしれない。
わたしも筆者の作品から卒業するときが来たのだろうか?

とりあえず、しばらくは距離を置いてみて、新作の「バイバイ、ブラックバード」も後回しにしてみよう。
また、忘れた頃に手に取るとは思うんだけど。

☆☆☆(☆三つ)

ちなみに、「あるキング」が下敷きにしていたのは「マクベス」だったが、本書が下敷きにしているのは「西遊記」だ。

他のBlogの反応はこちら
(本書をポジティブに評価するエントリ)
http://d.hatena.ne.jp/rainy_days/20100808/1281249356
http://blog.livedoor.jp/nagibooks/archives/1391141.html
http://blogs.yahoo.co.jp/subaru0420jp/60971181.html
http://ameblo.jp/baabamama/entry-10594250494.html
(本書に微妙な評価をするエントリ)
http://blog.livedoor.jp/r_hemisphere/archives/1749859.html
http://maroncafe.jugem.cc/?eid=686

結構賛否両論分かれてます。
わたしだけが違和感を感じたのではないようなので、最近の筆者の作風は若干変わってきているのかも。





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ジャパナリズム

はじめまして。私は最近、井坂幸太郎の小説を読むようになりました。私的には読みやすくハマリです。
ゴールデンスランバー、砂漠、死神の精度、の3作品読みました。その他でオススメ作品あれば教えてください。
by ジャパナリズム (2011-08-11 02:41) 

book-sk

>ジャパナリズムさん
コメントありがとうございます

伊坂幸太郎だと、重力ピエロとかアヒルと鴨ののコインロッカーのように、初期の作品の方がは私の好みです。
非現実感多めならグラスホッパーもありだと思います。

また、チルドレンや終末のフールのような短篇集は総じてオススメ。
こちらは、死神の精度が好きなら間違いなく当たると思います。

by book-sk (2011-08-13 22:46) 

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