スパイの時代の終わり:ダブル・ジョーカー [小説]
このエントリで書いた「ジョーカー・ゲーム」の続編。
時代が下って、戦争が近くなり、スパイ活動の限界が見えてくる。
前作からの基本路線・作風は同じ。
昭和初期を舞台にしたスパイ小説でありながら、ライトノベル風の軽い味付けで、歴史に興味が無くともすらすらと読める作りになっている。
また、キャラクターの個性も相変わらず際だっており、読後に残る印象も際だっている。
それでは前作とどう違うかというと、最大の違いは微妙な時代背景。
前作は戦争の臭いは感じつつも、大きな戦争は始まっておらず、戦争と平和の瀬戸際におけるスパイの力が最大限発揮できる環境にある時代だった。
対して今作は、戦争が徐々に始まっていて、スパイ活動の限界も見えてきている。
最終話では、ついに大戦が始まり、「死ぬな、殺すな」のスパイから「敵を殺す」軍人の時代にハッキリと移り変わったことが分かる。
そうした時代背景を念頭に読むと、超人的なスパイといえども歴史の流れを止めることが出来ないことがよくわかり、本書のキャラクターにもいっそう愛着がわいてくる。
前作が楽しめた人なら、お薦めできる一冊。
☆☆☆(☆三つ)
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皆さん、前作との比較はともかく、それなりに高評価。
個人的には、続編として、降伏~高度成長の戦後編を読んでみたい。
流石に高度成長まで行くと結城中佐は生きていないのでしょうが。
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