現代人の本質:東京島 [小説]
「十五少年漂流記」、「ロビンソン・クルーソー」、「蠅の王」など、孤島への漂流ものは数多い。
本書は、「蠅の王」路線なのだが、おそらく人間の本質としてはその方が近いのだろう。
そして、筆者独特の感性で、人間の本質に現代人の気質をうまくミックスしているのが本書の持ち味だ。
本書は無人島に現代日本の若者達が漂流するところからはじまる。
どこだか分からない無人島、脱出不能な海流、だが熱帯の実りによって食うには困らない。
このような状況で絶望するのか、楽しむのか、適応するのか……。
さらに、男ばかりの島の中に一人だけ女性が存在すると言う設定が筆者の味付け。
ここは筆者の本領発揮部分。
人間の本質を描くのが小説の持ち味だと考える人も多いだろうが、本書は舞台を極限状態にすることで現代日本人の本質と病理を描こうとしたのだろう。
大御所の作品だけあって、エンタテイメント性も問題なし。
休暇の娯楽としては十分に楽しめる一冊だ。
☆☆☆☆(☆四つ)
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映画化もされたみたいですね。
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