複雑な気持ちを巻き起こす:球体の蛇 [小説]
ホラーというべきなのか、気持ちの悪いミステリ。
グロテスクな描写はないのだが、精神的にダメージを受ける一冊だ。
ミステリなのであらすじは書かないが、一人の少女の死に責任を感じている男女が織り成すストーリー。
ナゾを解いていくと言うよりも、人間の心理描写を楽しむタイプのミステリである。
本書が精神的にダメージを受ける原因は、登場人物の誰もがある種の”壊れている”部分を持っていて、行動に歪みが出てしまっている。そうした”危なっかしい人”を客観的な目で見ていると、怖くもあり、恐ろしくもあり、哀れでもある。
そうした様々な感情がおり混じって、複雑な読後感を形成するのだろう。
元々、筆者の作品は怖い感じのものが多いので、これが期待はずれと言うことはない。
むしろ、筆者の持ち味がよく出ている良い作品だと思う。
筆者の作風をよく知っている人なら間違いなくオススメ。
ただ、名前を聞いたことのある作者だから暇つぶしに……。と言う人はちょっとだけ注意した方が良いのかも。
☆☆☆★(☆三つ半)
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主人公をもう少し図太くすると、伊坂幸太郎の作品になりそうだな……。
等と思いながら読んでいました。
その感想が正しいのかどうかは知りませんが。
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