女性版？青春小説：ロードムービー

ロードムービー (講談社ノベルス)

• 作者: 辻村 深月
• 出版社/メーカー: 講談社
• 発売日: 2010/09/07
• メディア: 新書

筆者が女性であることをとことん感じる作品。
青春小説の短篇集なのだが、男性の感性だとこんな出来にはならないだろう。
キャラクターもその持ち味がしっかりと描かれていて、お薦めできる作品だ。
私は男性なので、アホな行動をとりがちな小学生時代、エネルギーを抱えて自己不安と戦う中高生時代など、男性の視点で書かれた青春小説は比較的理解しやすい。
ところが、女性の主人公だと、同じ青春小説というジャンルでも、全然違ったキャラクターとストーリーが生み出されることを様々と魅せつけられた。

しかしながら、そんな違いを乗り越えて、非常に面白い。
それが本書の位置づけだ。

よく良く考えてみると、おとなになってからの男女は違う生物であることを嫌でも意識するし、理解不能が高じて不快な思いをすることも多くなる。
ところが、子供のうちは、男女の違いはあるが、全く別というものでもなく、不確定に交わっている領域があったような気もする。そんな不確定領域を感じることができたのが、男性が本書を楽しめた最大の理由かもしれない。

短編集だけど、分量は意外と詰まっていて、読み応えも十分。
有名作ではないかもしれないけど、お薦めできる。

☆☆☆★（☆三つ半）

他のBlogの反応はこちら。
http://ameblo.jp/72jp/entry-10881102301.html
http://ifoif.jugem.jp/?eid=165
http://mrryojp.at.webry.info/201011/article_2.html
http://ameblo.jp/4rusmasako/entry-10645555676.html
http://www.big.or.jp/~fool/archives/2010/11/21-2339.php
http://blogs.yahoo.co.jp/konpeitou_06/51379117.html

「冷たい校舎の時は止まる」からのスピンアウトらしい。
知らずに読んだけど、十分に楽しめました。
逆順になるけど、「冷たい校舎の時は止まる」も読んでみようかな。

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