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失敗国家に住む人にとっては一番の恐怖:カラシニコフ I [社会]


カラシニコフ I (朝日文庫)

カラシニコフ I (朝日文庫)

  • 作者: 松本 仁一
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2008/07/04
  • メディア: 文庫



AK-47。
旧ソ連製の自動小銃で、故障が少なく、手入れが簡単で丈夫。どんな人にでも簡単に取り扱うことができる。

その素晴らしい性能のために、アフリカでは子供を含めた素人が銃を持つようになり、失敗国家に住む人の生命を脅かしている。そうした、失敗国家の現実に関するレポートだ。

【目次】
第1章 一一歳の少女兵
第2章 設計者は語る
第3章 護衛つきの町
第4章 失敗した国々
第5章 襲われた農場
第6章 銃を抑え込む


このBlogでは、今までに失敗国家を取り扱った様々な本のエントリを上げてきた。
最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?」、「アフリカ 苦悩する大陸」、「アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 」、「援助じゃアフリカは発展しない」。等々。
どちらかというと上記の本は経済面からアフリカの絶望的な状況を語った本である。

本書も、失敗国家というターゲットは同じだが、自動小銃AK-47を切り口にすることで、失敗国家に住む人々の生命があまりにも軽く・安価であることをうまく描き出している。

本書が描き出すアフリカの悲劇は一読の価値がある。
私のように類書を多く読んでいる人でも、改めて胸が重くなるのだから、初めての人には更にショッキングであろうが、ひとりでも多くの日本人に読んでみてほしい。
日本に生まれてきたことが、どれだけ幸運なのかがよくわかる。


旧ソ連の発明の中で、ダントツの品質を誇るAK-47。
その素晴らしい性能と、それらがもたらしたアフリカの悲劇のコントラストは、悲しくも衝撃的だ。
多くの人にオススメできる一冊。経済学的な素養がいらない分、失敗国家に関する本としては、一番とっつきやすいだろう。

☆☆☆☆★(☆4つ半)

他のBlogの反応はこちら。
http://blogs.yahoo.co.jp/kikuy1113/60673286.html
http://d.hatena.ne.jp/aosasa/20110215/1297757011
http://jijyo.blog.so-net.ne.jp/2007-05-08-1
http://kadocks.exblog.jp/900759/
http://okaikki.blog66.fc2.com/blog-entry-159.html
http://wodakahirokix.at.webry.info/200809/article_21.html
http://blogs.yahoo.co.jp/ushidoshimoo0210/38539713.html
http://blogs.yahoo.co.jp/chanson023/26014148.html

共産主義・社会主義は碌でも無い政治体制ですが、共産主義のせいでAK-47の生みの親であるミハエル・カラシニコフという大天才が大金持ちになれなかったというのは、ちょっぴり救われた気分になれます。





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