警察だってにんげんだもの:後悔と真実の色 [小説]
貫井徳郎の推理小説。
今回のテーマは、捜査本部メンバーのネガティブな感情だ。
警察官だって人間。
嫉妬もするし、恨みも抱くし、欲望もある。のっぴきならない家庭の事情を抱えるメンバーもいれば、ストレスが故の奇行に走るメンバーも居る。
殺人事件の捜査本部は「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」なんか目じゃないぐらいのブラック企業なので、壊れているメンバーも多いはずだ。
かろうじて、犯人への憎しみでつながっているのだが……。
警察の人間模様を描いた小説は多いけど、本書は登場人物が多く、それらを書き分けている所が特徴。
推理小説好きなら、一つのパターンとして楽しめるだろう。
☆☆☆★(☆3つ半)
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直木賞の候補になりながら、受賞はできない筆者。
それが故に、最近の作風は人間の内面に踏み込むことに傾きすぎている気がする。
もう少し幅を出す意味で、毛色の違う作品があってもいいと思うのだが……。
はじめまして、かおると申します。
遅ればせながら、トラックバック、ありがとうございました。
「警察官だって人間」「殺人事件の捜査本部は「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」なんか目じゃないぐらいのブラック企業なので、壊れているメンバーも多いはずだ」に、賛同いたします。まさにこの作品のポイントですよね。
それから、「もう少し幅を出す意味で、毛色の違う作品があってもいいと思う」にも、賛同いたします。個人的には、『悪党たちは千里を走る』のようなスラップスティックを貫井さんにはまた書いていただきたいのですが。
by かおる (2011-09-24 06:13)