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アカシック・レコードを手に入れるために:分析力を駆使する企業 発展の五段階 [社会]


分析力を駆使する企業 発展の五段階

分析力を駆使する企業 発展の五段階

  • 作者: トーマス・H・ダベンポート
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2011/05/26
  • メディア: 単行本




分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学」の続編。

自情報処理技術者試験なんかでよく出てくる例としては、
「ビールと紙おむつの売上には関連があることがわかったので、両者を並べたら売上が上がった。これがデータマイニングによる分析の威力である。」
と言った様な文章がある。

ところが、本当に分析力を武器にする企業はそんな低レベルでとどまっていない。
ビールと紙おむつの売上に相関性があるなら、どのように並べるのが正解だろうか?
ビール売り場に紙おむつを置くのか?その逆がいいのか?あるいは入口にビールを置き、出口に紙おむつを置くのがいいのか?
このレベルまで、分析して答えを出す。それが、現代で分析力を武器としている企業の実態である。

【目次】
第一章 分析力を生かす
第一部 分析力を支える五つの要素
第二章 データ これがなければ始まらない
第三章 エンタープライズ サイロ化を打破する
第四章 リーダーシップ DELTAのカギはここにある
第五章 ターゲット 分析のツボを探せ
第六章 アナリスト 希少で貴重なリソースを賢く使う
第二部 分析力を組織力として維持する三つの秘訣
第七章 分析を業務プロセスに組み込む
第八章 分析文化を根付かせる
第九章 分析環境を継続的に見直す
第十章 分析力開発途上国が直面する四つの課題
第十一章 分析の究極の目的はよい意思決定である
巻末資料 DELTA発展の五段階


今の時代、分析力が本当にうりになる企業は、「真の答え」を求めて高度な分析を駆使している。
このあたりの現実は、前作「分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学」に詳しいのだが、想像をはるかに超える現実が存在する。

例えば、企業買収についても従来はデュー・デリジェンスを行った上で適正価格は算出するにしても、最終的には自社とのシナジーや市場動向を踏まえた上で、感と経験で処理されてきた部分が多い。
ところが、分析力を強みと出来る企業は、ある会社を買収するかどうかについて、分析によって唯一の答えを求めているし、かなり答えが出せる所まで来ている

では、競争優位には程遠いエクセルによる分析しか行なっていない企業は先行きが暗いのだろうか?
結論から言うと、そんなことはない。

本書は分析を全く行なっていない赤ちゃんレベルの企業から、世界チャンピオンクラスまでレベルを定義した上で、どうすればレベルを高めていけるのか?どこに注意すれば持てる力を最大限に発揮できるのか?という内容を明確にしている

分析力を駆使した企業がカッコよくて、輝かしい未来に満ちているのはよくわかる。
だが、泥臭い営業力を売りにして破格の成績を上げている企業があるように、企業の競争力は分析力だけで図れるものではない。
ただ、どんな企業でも持てる力で最大限分析をやったほうがいいし、必要に応じてレベルアップしていくほうがいい

そうしたときに、助けになるのが本書。
学士・修士が幅をきかせていて、博士が少なく専門知識レベルの低い日本の企業ではお目にかかれない現実と、新しい物の見方が手に入る素晴らしい一冊だ。

☆☆☆☆☆(☆5つ。満点)

他のBlogの反応はこちら。
http://www.dennis.jp/archives/1820475.html
http://j-bookshelf.jugem.jp/?eid=236
http://www.jinjour.jp/column/39340.html
http://honyonderu.blog28.fc2.com/blog-entry-1706.html
http://atamanisutto.livedoor.biz/archives/51687727.html
http://hatakama.cocolog-nifty.com/strategicit/2011/12/post-71a2.html

とりあえず、霞が関は最低限の分析を実施して、消費税を10%にしたら何億円の増収になるかを示して欲しい。
まともなデータもなく、意思決定で事実が重視されず、事実重視のリーダも不在で、数学の博士号を持っている分析者も(ほとんど)いない現状ではムリでしょうが……。







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