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ビジネスライクな内容:中国経済の正体 [経済]


中国経済の正体 (講談社現代新書)

中国経済の正体 (講談社現代新書)

  • 作者: 門倉 貴史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/04/16
  • メディア: 新書



筆者の主張は一番最後に書かれている様に、米国との同盟を強化して中国の台頭に備える。ただし、中国とも敵対するものではない。というもの。中国への嫌悪感が全面に出た思慮の足りない右派ではないし、米国嫌いの非現実的な左派でもない。感情ではなくビジネスライクな見方がなされている一冊だ。
【目次】
第1章 中国経済最前線~なぜ中国経済は最強と言えるのか?
第2章 G2時代の米中関係
第3章 地球温暖化問題と中国経済
第4章 「人口ボーナス」と中国経済
第5章 中国の経済統計は信用できるか
第6章 日本は中国とどう付き合っていくのか


本書は、第一章・第二章で中国経済の強さ、見通しの明るさについて述べている。その後の第三章~第五章では逆に中国経済の弱み・弱点を述べ、最後に今後の日本に対する提言を出すという構成。正負の両面をきちんと見ようとしている構成になっていて、その点は好感が持てる。

中国経済の強みについては、一般的に言われているような内容。豊富な人口、高い成長率、なお成長の余地が残されていること等が述べられている。

逆に中国経済の弱点についてはやや目新しく感じられた。一人っ子政策による人口ボーナスの終焉、環境の悪化、統計の不信感等。この中でも統計の不信感については統計がしっかりと出てくる日本にいると盲点になりがちな所ではあるがかなり重要なポイントだ。
いくら指標が良くてもそれが偽装されたものだと意味は無い。そして、中国では指標が偽装されているかどうかについて、事前に見抜くことは不可能だ。

新書なので分量はさほどではないが、政治的に歪んだ主張が入っていないため非常に読みやすい。
新書としてみると出来の良い一冊。

☆☆☆★(☆3つ半)

他のBlogの反応はこちら。
http://neto.blog10.fc2.com/blog-entry-5963.html
http://arturr.at.webry.info/201010/article_10.html
http://cmann3.exblog.jp/13188398/
http://harayan.air-nifty.com/blog/2011/03/post-ca00.html
http://kia357.blog125.fc2.com/blog-entry-128.html

概ね高評価。中国との付き合い方を考えるいいきっかけになります。






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