二重権力構造の始まり:摂関政治 [歴史]
岩波新書の歴史物。私は専門ではないので、正確性は判断できないが、一つの時代をわかりやすく解説してくれている。
ちなみに、この時代のキーワードは、権力(藤原氏・摂関家)と権威(朝廷)の分離だ。
【目次】
はじめに―藤原道長の「我が世」とは
第1章 摂政・関白制度の誕生
第2章 道長がつくった時代
第3章 「殿上人」の世界
第4章 ひろがりゆく「都市」と「地方」
第5章 国際関係のなかの摂関政治
第6章 頼通の世から「末法」の世へ
おわりに―「古代貴族」と「律令国家」の終焉
日本の歴史では朝廷は基本的に権威はあるが、権力はない時代が多かった。
そのため、そのスキームは当たり前のように思えてくるのだが、当然最初からそうだったわけではない。いわゆる古代においては、天皇家は統治者としての権力を有していた。
その天皇家の権力が弱まり、藤原氏の権力が強まったのが本書で書かれている平安時代後期だ。
歴史はこの後、院政による天皇家の権力奪還という短い次期を経て、本格的な武士政権の誕生へとつながってくる。
権威の朝廷と権力の将軍家。この二重構造の始まりがこの時代に存在している。
そのことがわかりやすく書かれた一冊。
☆☆☆(☆3つ)
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