反アベノミクスだが、日本経済には楽観：ぐっちーさん 日本経済ここだけの話

ぐっちーさん 日本経済ここだけの話

• 作者: 山口正洋
• 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
• 発売日: 2013/07/05
• メディア: 単行本

「ぐっちーさんの本当は凄い日本経済入門」、「なぜ日本経済は世界最強と言われるのか」と同じ論調。
ぶれていないといえばぶれていないし、目先が変わっていないといえばその通り。

【目次】
第1章 メディアも評論家もウソつきだらけ
特別対談1アベノミクスとメディア陰謀論――池上彰×ぐっちー
第2章 「強い通貨」を持ってはいけない?
特別対談2通貨があんまり安くなるとまずいぞ――榊原英資×ぐっちー
第3章 日本の財政に増税は必要ない
第4章 アジア経済を読み解くコツ
特別対談3これから先、何に投資すればいいの? ――押切もえ×ぐっちー
第5章 日本企業が生き残る道
第6章 日本再生=地方再生 これが処方箋だ

本書は「AERA」の連載をベースに大幅に加筆したもの。
基本的な論調としては……。

・円安は害が大きい。成熟国日本には円高のほうが良い。
・故に、アベノミクスは悪い政策。
・中国、韓国といったアジア経済の先行きは明るくない。
・逆に米国の先行きは明るい。
・日本経済にもいいところは多いので捨てたものではない　などなど

大筋はこんな感じ。意外と少ない路線なので読んでいると新鮮な気持ちになって楽しめる。
個人的にはアベノミクスは今やるしかなかったと思っているので、筆者とは意見が異なるのだが、筆者の主張は筋が通っているので、読んでいて不快な気分にはならない。

筆者の言うようなあり方も日本経済の進むべき一つの道ではあろう。

多様な意見に触れることは重要と言われうが、質の悪い意見は触れるだけでも害になるものが有る。筆者の言論はそうした底質な意見とは異なる良質なものなので、筆者の見解に賛成するかどうかはともかく触れてみる価値は十分に存在する。

☆☆☆☆（☆四つ）

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