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この世代が政治力を持つようになるのだろうか……。:アラフォー男子の憂鬱 [社会]


アラフォー男子の憂鬱 (日経プレミアシリーズ)

アラフォー男子の憂鬱 (日経プレミアシリーズ)

  • 作者: 常見 陽平
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2013/12/10
  • メディア: 新書



速水健朗('73年生まれ)、常見陽平('74年生まれ)、赤木智弘('75年生まれ)、おおたとしまさ('73年生まれ)の筆者4人による世代論。
このエントリで書いた「ロスジェネはこう生きてきた」で感じたのは同世代でありながら同じ経験を共有していない違和感。

その理由は本書を読んでなんとなく理解できた。
この世代は、最後の商業的マスなので、コマーシャルにさらされ続けて洗脳されてきた世代。それによって「経験」も後から作られているのだ。

【目次】 はじめに
第1章 僕たちはなぜガンダムが好きなのか/速水健朗
第2章 バンドブームと僕たちのキャリア/常見陽平
第3章 アラフォー世代は「後追いブーム」世代である

/アラフォー男子の憂鬱な座談会 Part 1

第4章 デジタルネイティブの憂鬱/赤木智弘
第5章 初代「ゆとり世代」としてのアラフォー/おおたとしまさ
第6章 社会の実験台であり続けた、端境期の僕たち

/アラフォー男子の憂鬱な座談会 Part 2


本書で面白かったのは第1章と第6章。

第1章は冒頭にも書いた、最後のマス世代として、商業広告のターゲットにされ続けてきた世代の悲哀が描かれている。今はまだ親の世代(団塊の世代)がなんとか元気で消費を行えるため、最大のターゲットになっていないが、団塊の世代が消費活動を行えなくなると、70年代生まれの人々は最後のターゲットになるはずだ。

その世代に属するものとして、個人的に良い思いはしないが、これも子供の時からの宿命。せいぜいカモにされないように気をつけて生きていくとしよう。

第6章は教育論。元祖ゆとり教育としての70年代生まれを描いている。
このパートは世代論としてよりも、教育政策論として面白かった。教育に携わる人の間では有名な話だが、教育は素人でも口を出しやすいため、プロから見るととんでもない論調が主流になっていることが意外と多い。
日本の学校教育は最たるもので、ゆとり教育のはしりを受けた世代は40を超えているにもかかわらず、未だにゆとりを巡っては的はずれな議論が続いている。

私は上記の1章と6章が優れていると思ったが、常見陽平のバンドの話や赤木智弘のゲーム・パソコンの話も語り口は非常に面白く、一気に読むことができた。
自分が最後のマス世代である70年代生まれなら読んで楽しむことが出来るだろう。

☆☆☆★(☆3つ半)

他のBlogの反応はこちら。
http://tsunoken.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-bf9f.html
http://blog.goo.ne.jp/honganjimeika/e/511cd79bdac8b8efb7ca90283691ab59
http://blogs.yahoo.co.jp/us23news/67018829.html
http://kakihara.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/12/201435_6ca6.html

ちなみに、アラフォーの社会実験モルモットは今でも続いていて、「貯蓄から投資」なんていうのはモロにターゲットになっている。






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