反省させるのは親の自己満足でしか無い。:反省させると犯罪者になります [社会]
経験則優先で、数値的な裏付けの少ない「思い込み」の一冊なんだけど、内容が非常に面白い。
社会学者の文章を読んで、久しぶりに面白いと思った気がする。
【目次】
第1章 それは本当に反省ですか?
2度の接触事故を起こした時の私の本音
「後悔」が先、「反省」はその後 ほか
第2章 「反省文」は抑圧を生む危ない方法
「模範的な反省文」から読み取れること
反省は抑圧を生み、最後に爆発する ほか
第3章 被害者の心情を考えさせると逆効果
被害者の視点を取り入れた教育
矯正教育なんかしない方がマシ? ほか
第4章 頑張る「しつけ」が犯罪者をつくる
りっぱなしつけが生き辛さを生む
「しつけ」がいじめの一因に ほか
第5章 我が子と自分を犯罪者にしないために
問題行動の背景をいっしょに考える
親から「迷惑をかけられたこと」を考える ほか
本書の内容は、世間一般で広く用いられている反省文の弊害を説くとともに、罪を犯した人に対する筆者流の正しい接し方を述べている。
まず、本書で述べられている反省文の弊害だが、世の中に反省文があふれているからこそ、非常に腑に落ちる内容になっている。
現在では学校での校則違反で書かされる反省文始まり、企業での始末書まで、世の中で何か違反をするとまず求められるのが反省文という状況だ。
ところが、私自身の経験にてらしても、反省文は効果が薄い。
反省文を書くのは情状酌量を勝ち取るための作文技術でしか無いというのが正直なところだろう。
筆者は受刑者に対するカウンセリングを通じて経験上得た反省文の無意味さを明らかにしている。反省文を書かせることで本心は決して出てこないし、再犯率も下がることはないのだ。
私が感覚として持っていた、反省文は情状酌量としての上辺だけの文書である。という感覚は筆者も共通的に持つものであったのだ。
では、反省文を書かせるのではなくどうしたらいいのだろうか?
筆者はまず、被害者ではなく、加害者側に立って考えることを重視する。
これによって、問題が起こった本質が理解できるようになるし、無駄なストレスを感じること無く自分の行動を直視することができるようになる。
正直、この筆者流犯罪者への接し方については、職業生活ではなかなか使う機会がないだろう。
ただ、子育てには非常に使える内容だ。
子どもがなにか悪いことをした時に、まず「ごめんなさい」を強制するのではなく、なぜそういう行動に出たかを明らかにして、子供の心にストレスを溜めない。
子どもを持つ親なら本書から得られる内容は、更に大きなものになるだろう。
☆☆☆☆★(☆4つ半)
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