名門校出身の親が子どもを同じ学校に入れたがる理由：名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件 [社会]
- 作者: おおたとしまさ
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2015/02/13
- メディア: 新書
名門校の教育についてのレポート。
いわゆる名門校出身者以外の多くの人が誤解しているが、名門校は決して勉強だけを重視する詰め込み教育を実施する場ではない。
むしろ、名門校と言われる学校ほど、体育祭・文化祭・林間学校などの学校行事に熱を入れるものなのだ。
その理由、教育の効果、そして現在の名門校を取り巻く状況などが非常にわかりやすくまとまったいい新書だ。
【目次】
第一章 日比谷高校の悲劇
第二章 旧制中学からの系譜
第三章 藩校からの系譜
第四章 女学校からの系譜
第五章 専門学校・師範学校からの系譜
第六章 大正・昭和初期生まれの学校
第七章 戦後生まれの星
第八章 学校改革という決断
第九章 単なる進学校と名門校は何が違うのか
筆者は名門校の定義を”伝統”と"学力"と"教育に対する姿勢・方針"で定義しているように見受けられる。さらに、3つのうち"伝統"を最も重視しているようだ。
これは目次を見てもらえれば納得できるだろう。
もちろん、ただ古いだけではダメで、伝統に応じて良い校風がしっかりと定着していることが条件だ。
そうした良き伝統校を中心に、それぞれの学校でどのような教育が実施されているか、どんな姿勢で生徒に向き合っているかを筆者がレポートしている。
国の教育制度については朝三暮四で変わって継続性がないのだが、そうした状況でも高い評価を受け続けている学校に共通する特徴が本書からは見えてくる。
名門校とは縁のない教育を受けてきて、受験勉強、進学校と言ったワードにアレルギーがある親にこそ是非読んでもらいたい一冊。
名門校出身の人には常識とも言える内容なのだが、そうした常識を知っている人と知らない人では大きな差がついてしまう。本書を読んで、是非名門校への偏見をなくしてもらいたい。
☆☆☆☆★（☆4つ半）
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