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結婚制度は一つのツールに過ぎない:37歳からの婚活 [社会]


37歳からの婚活 (扶桑社新書)

37歳からの婚活 (扶桑社新書)

  • 作者: 大西 加枝
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2016/04/30
  • メディア: 新書



冒頭に「職業・仲人」で「独身」という記述が出てきていきなりもやっとする始まり。
※なお、現在はご結婚されているらしく、あとがきにはそう書かれてました。
だが、読み進めてみると意外と着眼点は悪くなく、気づきを与えてくれる内容出会った。

特に、筆者が主張する「(良い意味での)結婚と恋愛の切り離し」については、多くの人が考えるに値するテーマだと思う。

【目次】
第1章 結婚とは
   40代以降で結婚できる人はわずか1.2%
 40歳以上で結婚した人の特徴 ほか
第2章 お相手探しの方法
 婚活の方法
 婚活ツールの有効活用
第3章 婚活=恋人探しではない
 結婚は起業に似ている
 配偶者はビジネスパートナーでもある ほか
第4章 あなたが今まで結婚してこなかった理由
 結婚してこなかった理由チェックシート
 結婚できなかった自分と向き合う
第5章 幸せな結婚・不幸せな結婚
 そもそも結婚って必要なもの?
 結婚制度と現代 ほか


本書の内容は、結婚相談所を経営する筆者がそこで出会った40歳前後の結婚できない人、できた人を通じて結婚するためのポイントをまとめた内容。
統計的に処理されてるわけではないし、サンプル数も優位な水準かどうかわからないので、科学的にここを注意すれば結婚できる。という内容が書かれているわけではない。
だが、恋愛結婚でうまく結婚できなかった40前後の独身者は、結婚と恋愛を切り離して考えるべき。という筆者の語る内容は的を射たものだし、結婚を通じて幸せになるための重要事項だと思える。

多くの人が感じているように、近年独身者の比率が上がってきている主要な原因は「恋愛結婚至上主義」にあることは間違いないだろう(なお、もう一つの重要な原因は所得の低下だろうが、それについては本書では触れられていない)。
が、そもそも結婚は男女二人が生活を共にしていくための"契約"であり、恋愛要素は必ずしも必須のものではない。歴史を見ると恋愛を経ずに結婚したが幸せな家庭を築いた例は多数あるので、筆者の主張は一理あると考える。

このように「恋愛と結婚の切り離し」という視点では非常に興味深く、考えるところが多い一冊なのだが、一つ難を述べると筆者の視点が感情面に偏っており、結婚のメリットを具体化できていない点はマイナス。
サンプルが"結婚相談所に登録した人"で書かれた本なので、"婚活をしようとも思っていない人"に響かないのはターゲットを狭めすぎているという意味で非常に惜しい
むしろ、現在は結婚なんか考えていない人でも結婚するとこんなにいいことがあるというメリットを具体的に遡及できると筆者が主張する恋愛以外の結婚に踏み切る人も増え、より婚活市場が豊かになるのではないだろうか。

新書なのでスペース・ターゲット的に限界があるのはわかるのだが、「結婚という制度を人生でどう活用していくか」ぐらいの提言ができるとより面白い内容になったとは思う。
悪くない一冊なのだが……。

☆☆☆★(☆三つ半)

他のBlogの反応はこちら
http://blogs.yahoo.co.jp/kiyoshi_67_shibata/55961658.html
http://koisurukoiko.hatenablog.com/entry/2016/07/03/171211





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